70年のあゆみ-品質管理

(3)深井経営管理システムの浸透と定着 【2005(平成17)年~】 《経営管理》

 TSを一つのツール(手段)として日常業務への活用が始まり、深井経営管理システムが運用された。会社全体の業務はTSに従って実行され、その実績は毎年評価される仕組みになっている。TSを基に全ての業務が流れる。会社全体の運用面について、簡単に説明すると以下のとおりになる。
 ①経営方針・品質方針とその他の情報を基に中期経営計画(案)が作成され、本部長会議を経て役員会で承認される。
 ②承認された中期経営計画を基に各本部は単年度の本部目標・施策を作成する。
 ③本部目標・施策を基に本部内会議を経て、各部課の目標・施策が作成され、課員に展開される。
 ④管掌役員は各部課の目標・施策に対する実施・進度状況を確認して、結果報告の評価をする。
 ⑤各本部・部課は目標と実績との差異分析処置をする。
 ⑥各本部・部課は年度反省をして、次年度の経営計画へ反映される。

  ①~⑥を毎年繰り返すことにより、継続的改善が図れる。
※ ⑤は次年度の本部目標・施策へフィードバックされ、
※ ⑥は経営方針・品質方針へフィードバックされる。
 これらが出来るようになったことで、製造品質のみならず飛躍的経営管理の改善が見られるようになった。

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(2)経営管理システムへの移行 《経営管理》

 QS規格からのアップグレードとして、ISO9001:2000年版への移行が急がれた。当初移行計画は第1段階として、ISOに移行してからQSの後継と言われていたTS16949(※2、以後TSと呼ぶ)への移行を目指していた。課長以上の管理者を対象としたISO導入教育のために、講師をお願いしていたコンサルタントと今後の話し合いをしていた時であった。コンサルタントから「この際一気にTSに移行したらどうですか」と提案があった。直ちにその旨をトップに伝え、トップからの承認も得られた。最終的にはTSへの移行時期が早いか遅いかの違いだけであった。
 TS導入マスタープランを2003(平成15)年8月に策定し、品質マニュアル・手順書の構築、内部品質監査・マネジメントレビューの企画・実施と着々と監査に向けた活動が開始された。認証機関はISO・QSと同じくTUV Rheinland Japan Ltd.(テュフラインランドジャパン株式会社)で、主任監査員はQSと同じくフィッシャー氏であった。2004(平成16)年3月の予備監査と同年7月の認証監査を経て、9月に認証取得した。
ISO・QSと二つのシステムを構築した経験が活かされ、スタートより一年余りのことであった。
ISO/TS16949認定書f
TS導入教育
TS監査、プラズマ溶接現場
TS監査、クロージングミーティング

(1)QS顧客要求事項の課題 【2003(平成15)年~】 《経営管理》

 品質は1990年代と比較すると、はるかに向上してきた。なぜならば、ISO・QSと二つの品質保証システムを構築させ、不良を発生させない仕組み作りが効を奏したからである。得意先を取り巻く環境も一段と変化をしてきており、10年前には納入不良月10個でワーストメーカーの指定を受けることはなかったが、2003(平成15)年頃から月2,3個でもワーストメーカーに指定されるようになった。
 QS規格は2004(平成16)年12月迄に消滅することが判明し、この際アップグレードする意味で別のシステムへ移行する必要性が出てきた。得意先のニーズに応えるためにもバラツキのない品質、ジャストインタイムのような納期管理などに関してキメの細かさが必要であった。
顧客への納入品質実績(不良個数)

(3)自動車産業規格の選択 【1998(平成10)年~】 《グローバルスタンダード》

 ISO9001の品質保証システム運用がいよいよスタートした。
 顧客納入不良実績を記録するのにパーセントからPPM表示に変化してきた頃であった。個々の不良は減少してきたものの、品質保証体制として満足が得られるものではなかった。ISOは様々な業種が利用出来る汎用的な品質保証システムの構築に重点がおかれていて、自動車部品業界には十分でなかったからである。
 具体的には製品に関する品質計画の指針を示すもの(APQP)や量産初物に関する顧客の承認取得手順(PPAP)が欠けていたからである。
 得意先である富士重工業が1999(平成11)年12月に米国GM(ぜネラル・モーターズ)と資本・業務提携に伴って、QS-9000(※1、以後QSと呼ぶ)に基づく要求事項へと変化した。汎用的な品質保証システムであるISOから得意先推奨であるQS導入を2001(平成13)年4月に決定した。
 QSは米国自動車業界を取り巻く全世界に普及しており、当社にとってはこの上ない品質保証システムであった。同年8月に導入キックオフ式が当社食堂で開催され、参加者全員で取り組むことで終了した。富士重工業次期車(立上り2003(平成15)年5月予定)スバル・レガシィの量産に向けて認証取得することを誓った。
 一度品質保証システムの構築をした経験はあるものの、ISOとは比較にならないほど理解しにくい要求事項であった。認証機関はISOと同じくTUV Rheinland Japan Ltd.(テュフラインランドジャパン株式会社)で、主任監査員としてドイツ人のフィッシャー氏が来足した。監査員の英語を通訳の方が訳しながら監査は進められた。聞き慣れない英語に不安と戸惑いを感じながらも、2002(平成14)年9月の予備監査と同年11月の認証監査は終了した。2003(平成15)年1月に認証取得した。
QS-9000

(2)ISOを基礎とした品質保証システム構築 【1996(平成8)年~】 《グローバルスタンダード》

 世界標準としてのISO品質保証システムとは企業における事業、特に品質管理がいかなる目的で、またどのような方法で行うべきかを文書化(P)・実行(D)の評価をし、その結果を確認(C)してより効果的なものとして行動(A)する。すなわち管理のサイクルと言われるPDCAサイクルを廻すことである。
会社ぐるみでISO導入キックオフ式が1996(平成8)年8月当社食堂において、得意先の御臨席の基で開催され、最後に参加者全員による「ガンバロー」コールで無事終了した。更に導入教育が行われ、「品質方針」(「品質第一で、顧客の満足と社会の信頼を得る」)が制定された。 
 初めて聞く言葉や横文字を目の前にして、誰もが拒絶反応を示し戸惑いを感じた。ISO規格については文章が難解で理解するには時間がかかった。ISOに関する文書は部長・課長などの管理者にパソコンが配給され、使い慣れないパソコンの使い方を勉強しながら作成した。何とか必要な決まりごと(ファイル5冊、340余文書)を揃えることができた。受審は得意先推奨であるTUV Rheinland Japan Ltd.(テュフラインランドジャパン株式会社)と言うドイツの認証機関であった。
 1997(平成9)年11月に予備監査、1998(平成10)年2月に認証監査が行われた。キックオフ式から1年8ヶ月をかけて平成10年4月に認証取得した。
ISO9001

(1)グローバルスタンダード化の時代背景 【1993(平成5)年~】 《グローバルスタンダード》

 日本国内の基準としてJIS(日本工業規格)があり、国内向けに製品を生産している間はこのJISで十分といえる。しかしながら、海外生産もしくは海外へ輸出する場合にはこの規格では通用しない。世界中どこでも適用できる基準に重点をおいたグローバルスタンダード(世界標準)を取り入れる傾向が顕著になってきた。
 得意先からは不良品を納入しないと言う要求から品質保証の仕組み作りに重点を置いた要求へと変化をしていった。納入不良に関してPPM管理が導入され、Aランクを維持するには10PPM以下が必要であった。当社も得意先からの要求に応えるために、深井製作所としての品質保証体制の構築(良い物作り・品質保証の仕組み作り)をして、お客様満足を向上する必要がある。
 そこで、1996(平成8)年4月にISO導入を決定しました。

(2)標準化への取り組み 【1991(平成3)年~】 《品質重視》

 品質に関する案件は当時品質を担当する品質管理課が担当し、製造する圧造課と組立課は物を作るだけと言った一部門だけの品質活動でした。会社全体で品質改善に取り組んでいこうという活動ではなかった。「あるべき姿」を目指して品質活動をしてきたつもりであったが、末端までの浸透が甘く全社一丸となった活動が出来ていなかった。
 得意先はいずれも品質を重要視して、品質体質改善を図るために品質保証体制の構築に力を入れていた。当社も得意先からの御指導により、品質に関する決まり事である標準書・基準書・管理基準等を決め始めた。具体的には、「不具合対策実施要領」・「異常処理ルール」・「再発防止管理基準」等の作成を行った。
 しかし、これらはいずれも不良が発生してからのものであった。

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