3-3) 深井製作所での高張力鋼板の研究開発 《技術開発》
3-3-1)成形性の研究
高張力鋼板(以下高張力鋼板をハイテンと略す)の生産は、62F SUS LWR 、ユニプレスのバンパービーム等440Mpa 、500Mpa級は生産実績があったが、本格的な研究は、21Zの590Mpa級のハイテンがFRAME SD FF CPに大量に使用されることから始まった。
1998年10月 富士重工業、新日鐵、深井製作所の三者によるLWVプロジェクトでハイテンの研究がテーマとなり、1999年2月深井製作所関連部品約20部品をハイテンで試作することとした。材料は新日鐵材、型は深井製作所が担当し安価にするためブロックを削り製作することとした。 結果から言うと、思っていたより成形できるというのが実感であつた。
しかし、本格的に検討するのは、1999年5月 栃木県地域技術改善補助金が認可され、FRAME SD FFの試作型を製作することから始まった。この改善補助金は翌年も認可され、支給されて総額2600万円もの補助金をいただくことができた。
FRAME SD FFの試作型は新日鐵の佐久間博士、樋渡主任研究員らと共同で解析しながら研究した。プレス成形シミュレ-ションソフトへの入力デ-タも新日鐵から詳細デ-タをいただき計算した。
深井はAUTO FORM、新日鐵はPAM STAMPと解析ソフトは異るがスプリングバック、ねじれ等、計算結果と実際のプレス結果と照合しながら、その都度、金型の見込み量を決めながら、玉成していった。
このような事前の確認があったので、2003年5月量産開始となった21ZのFRAME SD FFの生産型では大きな問題もなく生産に入ることが出来た。
3-3-1)溶接性の研究
ハイテンは、鋼材の炭素成分は変わらないが、添加元素により炭素が増えたような影響がでる。専門用語でいう炭素当量が一般材に比較して多くなり、一般的に溶接性が悪化する。
1999年10月から2002年3月にかけてスポット溶接、W/N W/Bについての溶接性の試験を 590Mpa、 440Mpa、 270Mpaとの組み合わせで確認し、新日鐵富津研究所の溶接専門担当者との意見交換等行い溶接条件を確定していった。
3-3-2)780Mpa、980Mpaハイテンの研究
2003年10月から 2004年10月にかけては、さらに強度の上がった780Mpa、980Mpaハイテンについて新日鐵から材料提供をしていただきプレス成形性、溶接性についての研究を続けた。更にスプリングバック量、金型材質、切り刃材料等についても研究を行った。
590Mpaと780Mpa、980Mpaとではまた一段と成形が難しく、溶接条件等も幅が狭くなり、難しいことが判明しそれぞれ基礎デ-タを集めた。